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ニュースリリース | 日本格付研究所 JCR 17d1044 1

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2 0 1 8 年 3 月 1 4 日

タイヤメーカー大手各社の

17/12

期決算の注目点

タイヤメーカー大手各社(ブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴム、東洋ゴム工業)の17/12期決算およ

び 18/12 期業績予想を踏まえ、株式会社日本格付研究所(JCR)の現況に関する認識と格付上の注目点を整

理した。

1. 業界動向

日系4社が国内外で生産するタイヤは世界生産の3割近くを占め、グローバルでの各社のプレゼンスは高

い。海外売上高比率はブリヂストンの約 8 割を筆頭に各社とも高い。新車用タイヤの需要は景気変動の影響

を受けやすいが、需要が比較的安定している市販用タイヤが、輸出も含めると販売の 7~8 割を占める。タ

イヤの世界需要は、市販用タイヤが需要を下支えする形で中期的に緩やかな成長が見込まれている。ただ、

足元では海外の新車用タイヤ販売において北米などで不透明感が残る。ブリヂストンの 17 年度決算説明会

資料によると、新車用タイヤ需要(乗用車用)の主要市場の伸び率(17 年度実績及び 18 年度予想)は日本

が +5%と▲1% 、北米 が▲9% と+1%、 欧州が +1%と+3% 、アジ ア(タ イ・イ ンド ネシア ・イン ド・中

国)が+1%と±0%となっている。市販用(乗用車用)は同様に日本が+2%と▲3%、北米が±0%と2%、

欧州が▲1%と±0%、アジアが+3%と+4%となっている。各社とも海外供給能力増強を積極的に進め、海

外での販売ネットワークを拡充することで世界需要の伸びを上回る成長を目指している。

タイヤは輸送コストがかさむため消費地生産が基本原則である。各社とも現地生産を拡大してきており、

ブリヂストンの海外生産比率は 75%程度である。タイヤの原価に占める原材料コストの割合は大きく、業績

は天然ゴムや原油の市況変化の影響を受けやすい。17年度期初から上昇していた天然ゴム価格は年央には急

騰前の水準まで戻したが、年間平均ではコストアップ要因となった。18年度は年間では概ね前年と同水準を

見込むメーカーが多い。

近年、提携解消や新たな提携、M&Aの動きが活発化してきている。住友ゴム工業は米グッドイヤー社と

のアライアンス契約を15年に解消した一方で、17年に英国大手のタイヤ販売会社であるMicheldever Group

Ltd.を買収(取得価額約312億円)し、また海外のDUNLOPブランド事業を買収(取得価額約154億円)し

た。横浜ゴムは独コンチネンタルとの業務提携を16年3月に解消した一方で、農業機械用・産業機械用タ

イヤを主力とするインド拠点のAlliance Tire Groupを16年7月に買収(取得価額1,339億円)した。ブリヂ

ストンは海外での販売ネットワークの拡充に積極的で、仏大手自動車整備業チェーンや仏大手タイヤ小売チ

ェーンを買収するなど欧州事業で小売網の強化を進めている。提携解消については、日米欧以外での需要増

加、自社の海外生産基盤の拡充など経営を取り巻く環境が大きく変化する中で事業展開の自由度を求めた動

きと言えよう。一方、新たな提携やM&Aは商品ラインナップの充実、海外販売ネットワークの拡充を目指

したものと考えられる。

2. 決算動向

4社合計の営業利益は09/12期を底に15/12期まで6期増益が続いたが、16/12期は売値の低下と期中の

円高が重荷となり減益となった。17/12 期はタイヤ販売が国内外で堅調に推移し前期比 10.3%の増収となっ

たものの、原材料価格上昇の影響を受け営業利益は同5.0%の減益となった(図表1参照)。営業増減益分析

では主な増益要因が「売値MIX数量他」1,534億円、「為替変動の影響」239億円、主な減益要因が「原材料

価格」1,858 億円である(図表 2 参照)。16/12 期まで 5 期連続で増益要因になっていた「原材料価格」は

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り、数量効果を除いた「売値 MIX」でみると 6割程度カバーしたと推定される。但し、カバー率については

会社によってばらつきがあったもようであり、これは市販用タイヤでは国・エリアによって値上げのしやす

さに差があり、競合状況を見極めながらの対応になっているためとみられる。一般的に、原材料価格変動の

損益への影響は、新車用タイヤでは原材料コスト連動方式により、数年間という期間でみれば限定的である

が 6 ケ月程度のタイムラグがある。市販用タイヤについては値上げ効果が本格的に出始めるには 2~3 ケ月

かかるとみられる。17/12 期の四半期毎の増減益要因をみると、第 2、第 3 四半期で原材料価格上昇の影響

が拡大し、値上げ効果は第3、第4四半期で本格的に出始めている。

財務面では、16/12 期では免震ゴム問題(性能評価基準への不適合)の関連で特別損失を計上した東洋ゴ

ム工業と、大型買収を実施した横浜ゴムで自己資本比率が悪化した。17/12 期ではこの 2 社の同比率が改善

する一方で、ブリヂストンと住友ゴム工業で同比率が若干悪化した。住友ゴム工業は 17 年に 2 件の大型買

収を実施し有利子負債が増加したためである。ブリヂストンは 16/12期末に1,289億円のネットキャッシュ

ポジションに転じた後、1,500億円を上限に自己株式取得を進めたためである。

3. 決算における格付上の注目点

18/12期はグローバルでタイヤ販売が堅調に伸びることを見込む会社が多く、4社合計で前期比3.3%の増

収、同10.2%の営業増益の見通しである。営業増減益分析(4社合計)では主な増益要因が「売値MIX数量

他」1,407億円、「原材料価格」105 億円、主な減益要因が「為替変動の影響」144億円である。17 年度に段

階的に進めたタイヤの値上げ効果と、SUV 用など付加価値の高い大口径タイヤの商品ラインナップ拡充によ

り、「売値 MIX 数量他」が大きな増益要因になっている。但し、上半期では相応の値上げ効果を見込めるも

のの、天然ゴム価格が 17 年度第 2 四半期をピークに低下していることから下半期での値上げ効果の継続は

不透明とみられる。また増益要因となっている「原材料価格」については、今後、石油系原材料がどの程度

上昇するかに左右されると予想される。戦略商品、高付加価値製品に注力する中で「売値MIX数量他」の増

益効果を拡大していくことが重要となってこよう。

財務面では、各社ともタイヤ事業の安定したキャッシュフロー創出力により中期的に財務構成は改善して

いくと予想される。一方で設備投資は、SUV 用など大口径タイヤの供給体制強化を背景に、海外での投資が

高水準で推移している。このため有利子負債の大幅な削減は見込みにくく、当面は緩やかな財務構成の改善

に留まると考えられる。

自動車メーカーではEV(電気自動車)の開発が加速している。EV化による当業界への影響は大きくない

と考えられるが、車両が重くなるため耐久性や燃費性能の要求が強くなろう。自動運転に向けてはランフラ

ットタイヤの装着などパンクへの対策に加え、路面状況の把握や情報管理の技術が必要になると考えられる。

全般的には各社の海外販売ネットワーク拡充など販売面の強化の動向に注目したい。個社では、住友ゴム

工業と横浜ゴムについては買収先とのシナジー効果発現と財務改善の進捗、東洋ゴム工業については免震ゴ

ム問題関連の工事の進捗や北米事業の収益力の状況に注目している。

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https://www.jcr.co.jp (図表1)営業利益、売上高営業利益率の推移(4社合計)

(出所:各社決算資料より JCR 作成)

※住友ゴム工業の 17 年度以降は IFRS ベース、横浜ゴムの 18 年度は IFRS ベース。

(図表2)営業利益増減要因(4社合計)

(出所:各社決算資料より JCR 作成)

※「売値 MIX」については、住友ゴム工業は決算説明会資料の増減益要因で「売値」を開示、横浜ゴムは「売値 MIX」

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【参考】

発行体:株式会社ブリヂストン

長期発行体格付:AA+ 見通し:安定的

発行体:住友ゴム工業株式会社

長期発行体格付:AA- 見通し:安定的

発行体:横浜ゴム株式会社

長期発行体格付:A+ 見通し:ネガティブ

発行体:東洋ゴム工業株式会社

長期発行体格付:BBB+ 見通し:安定的

■留意事項

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